ダッチロール  作詞・作曲 / 大須賀拓也  編曲 / DINOSAUR OF COWARD

生まれた瞬間解ってた
自分は世界の一部だと
普通に生きて
時々泣いて
重力支配の中に居る
将来の夢を尋ねられて
叶う範囲で答えたら
良く言えば現実的らしい
悪く言えば夢が無いらしい

期待とか希望とか
そんなんばかり
背負い過ぎて
飛び立つ前から
もう羽根が折れたよ
それでも
違う世界を
望んだから
ただ旋回続けて
落ちる日を
延ばしているだけ


飛べないツバメ
物欲しそうに
救いの手を求める様に
仲間が巣立った後も
ただ独りエサを待つ
いつから
こうなっちまったんだ
考えるのももう辞めた
この先何があっても
受け入れる覚悟は
とっくに出来てた
生まれた時から解ってた
自分は世界の一部だと
普通に生きて
たまに笑って
重力支配の中に居る
夢のデカさじゃ
人は測れないって
誰もが言うけど
気付けば何かと背比べ
誰にも
目に見えてもいないのに

時間とか未来とか
思い浮かぶ事が多過ぎて
綺麗な飛び方なんて
もう忘れたよ
それなら
地に立つ事を望んだけど
あと千回やっても
歩く事さえ出来ないのに


ようやく繋がった
管制塔では
「死なせてやる方が
幸せなんじゃない?」
言い訳で固めた
イカロスの羽根
燃えるように8の字を
描いて消える

期待とか希望とか
やっぱり
触れてみたくなって
鈍色の空へと彼は向かった
孤独も挫折も
自ら呼び寄せたはずなのに
今それを払うため
嵐の中へ

気付けば
離陸地点はもう遥か
後戻りは出来ない
焦燥が覚悟に変わる
風は向かい風
笑うなど
誰も出来やしない
彼の名前も
誰一人覚えていないのに



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